pyo's room

マブイ（魂）は、沖縄ではよく肉体から落っこちちゃうといわれてます。
ひどくびっくりした時とか、死にそうな目にあったときとか。

先だって交通事故にあわれた仲村清司氏も、マブイをおとされたそうで。
マブイグミの写真がさらっとブログに掲載されてました。
お見舞い申し上げます。

仲村清司の沖縄移住録:緊急報道！　三途の川の寸前でワシも考えた
仲村清司の沖縄移住録:交通災難続報・マブイ喪失男の怪

マブイグミ、つまり肉体から抜け出した魂を身体にもどす儀式。
簡単な方法は、URUMAXの沖縄大百科に紹介されてました。

【まぶいぐみ】　魂込みと訳され、落ちたマブイを元に戻すこと。簡単なマブイグミの方法を紹介しよう。マブイを落したと思われる場所に行き「マブヤー　マブヤー　ウーティキミソーリ」(魂よ、私を追ってきてください」という意味の呪文を3回唱えるというもの。
しかしマブイを落して長時間がたっている場合は、信用あるユタ(民間巫女)に相談するほうが懸命である。

沖縄ではよく道端でしゃがみこんで酒や塩、米を盛って本格的に祈っているおばぁを見かけるといいますが、場合によってはマブイグミの儀式をしているのかもしれません。（別の理由の場合もありますが）

これ、見かけても邪魔しないように。


ところでこの「道端でマブイグミをする」儀式を、私もやったことがあります。
マブイを落としたのは私ではないのですが、ユタに伝言されたのは私でして。
一緒にいってやってきました。
（マブイグミは、基本的に現地でやる。）

その時に「虫が食べ物をもっていっても、邪魔しないように。」
という不思議なアドバイスもいただいてました。


現場は那覇。国際通りの端っこ。
街路樹の根元で祈り始めました。
ちなみにやり方は教わりましたが、当日ユタは同行せず。身内だけでやりました。

小雨ふる中、人通りが多かったわけではないんですが、全くなかったわけでもなく、
でも通る人通る人みんなジロジロみることなく、すーっと静かに通り過ぎてくれます。
さすがウチナー。ありがとう。

しかし！
長時間しゃがんで祈り続けるには私の身体は太すぎる。重すぎる。（をぃ
足がしびれて、なんども立ったりしゃがんだり、体勢をかえていました。

と、手に持っていた傘がいきなり手から離れ、
お供えしていた塩と米、お酒の上にガチャン！と落ちちゃったんです。

あわてて傘をとりのぞき、小皿に残っていた塩と米をおいた状態で祈りは続きました。

街路樹の根元にはこぼれた塩と米が。
泡盛はすぐに吸い込まれて、匂いだけ広がっていました。

すると…落ちた米が、米粒が木の根元でむにゅむにゅ動き始めたじゃないですか！
そして、まるで米粒自身が歩くように、もぞもぞと動いて街路樹の根の下に移動していきます。

これはいったい何？！

手をあわせて祈るふりしながら、目は動き出した米粒に釘付け。
ほどなく、運んでいるのは蟻だと気がつきました。

そしてはっ！と気がつきました。

ユタのアドバイス。
「虫が食べ物をもっていっても、邪魔しないように。」

これかっ！

やがてこぼれた米粒はほとんど運ばれていき、
塩は溶けて、泡盛は蒸発してあとは何事もなかった状態にもどりました。

マブイグミも無事終了、
あとでユタに本人が確認したところ「戻っているようね、よかったねー」でした。