2009年06月20日
黒龍物語38-日々
第38話 日々
北牢の生活は、規則正しいものでした。
ただ、日が昇れば光のエネルギーが徐々に満ちていき、くれれば闇のエネルギーが静かに満ちてくる。
北牢の生活は、規則正しいものでした。
ただ、日が昇れば光のエネルギーが徐々に満ちていき、くれれば闇のエネルギーが静かに満ちてくる。
どうやら健康も管理されているようで、為信は規則正しい生活と共に、龍が入り込めるその大きな牢の中で自然にひとり健康と体力を維持するための運動やストレッチも行っていました。
たまに彼のエネルギー状態に合わせているのか、黒龍の木が差し入れられている事もありました。
為信はそれをかじりながら、ふと、幼い日にみた母の笑顔を思い浮かべました。
そしてはっとして、手の中の黒龍の木を見つめます。
もしやお母さんが差し入れてくれているのか?
しかしオーラエネルギーのつながりを切断され、心の振動数が下がっている今は、それが母からのものなのか、単に管理システムから届けられているものなのか感じとる事はできませんでした。
そんな日々が過ぎていくうちに。
為信はやっと己の所業を見つめていく事ができるようになっていました。
ただ、苦しい中で見つめなおす。
出来る事なら手放したい、消えてしまいたいと思いながら。
その思いは再び彼を自己否定、自己嫌悪の氷の中に閉じ込め、酷い咳き込みが始まるようになっていました。
こん、こん、こん・・・と
咳き込みながら寝ていると、自動管理システムにより北牢の中にヒーリングエネルギーが流し込まれます。
咳がやみ、楽になって寝入った彼ははっとして目を覚ましました。
暖かい手のひらが彼の中の氷を溶かしてくれた、あの日々に戻った気がしたからです。
…しかし、振り返っても母がいるわけはなく。
為信はその事に気が付き、改めて己の浅慮に笑い出し、
…やがて涙を落としました。
どれだけお母さんを悲しませれば気が済むんだ、俺は!
為信はやっと自分自身の心とまともに向かい合う決心をしたのでした。
つづく。
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たまに彼のエネルギー状態に合わせているのか、黒龍の木が差し入れられている事もありました。
為信はそれをかじりながら、ふと、幼い日にみた母の笑顔を思い浮かべました。
そしてはっとして、手の中の黒龍の木を見つめます。
もしやお母さんが差し入れてくれているのか?
しかしオーラエネルギーのつながりを切断され、心の振動数が下がっている今は、それが母からのものなのか、単に管理システムから届けられているものなのか感じとる事はできませんでした。
そんな日々が過ぎていくうちに。
為信はやっと己の所業を見つめていく事ができるようになっていました。
ただ、苦しい中で見つめなおす。
出来る事なら手放したい、消えてしまいたいと思いながら。
その思いは再び彼を自己否定、自己嫌悪の氷の中に閉じ込め、酷い咳き込みが始まるようになっていました。
こん、こん、こん・・・と
咳き込みながら寝ていると、自動管理システムにより北牢の中にヒーリングエネルギーが流し込まれます。
咳がやみ、楽になって寝入った彼ははっとして目を覚ましました。
暖かい手のひらが彼の中の氷を溶かしてくれた、あの日々に戻った気がしたからです。
…しかし、振り返っても母がいるわけはなく。
為信はその事に気が付き、改めて己の浅慮に笑い出し、
…やがて涙を落としました。
どれだけお母さんを悲しませれば気が済むんだ、俺は!
為信はやっと自分自身の心とまともに向かい合う決心をしたのでした。
つづく。
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Posted by 町田律子(pyo) at 19:00│Comments(2)
│龍物語
この記事へのコメント
立ち直ってほしい…
頑張れ為信!
頑張れ為信!
Posted by カンカン at 2009年06月20日 22:00
カンカンさん
応援ありがとうございます
応援ありがとうございます
Posted by pyo at 2009年06月20日 23:43
迷惑コメントが入り始めたので「承認後受け付ける」にしています。すぐには表示されませんがお待ち下さい。