pyo's room

可愛かった弟の笑顔。
抱きしめた時の愛しい感触。
笑い声。

それらを思い出しながら、呼びかけ続けながら。



同時に、家で過ごした日々が蘇ってきます。

妹の涙。
ああ、俺は美雨も泣かせてしまったんだっけ。

どうしているだろう…あのあと、仲直りするチャンスがなかった。
まだ泣いているんだろうか。


為信は妹の涙を手のひらで受け止め、
さらに母の涙も受け止めてその滴で青龍の玉を磨きました。


　…煤はとれたようだ。

為信は、玉を眺めました。
まだ、表面に無数についた傷が残っています。


『青夢。…青夢！』
為信は呼びかけてみました。

『…おにいちゃん…』
弱々しい声が届きました。


　ああ…！　　　ありがとう！


為信は永いこと北牢の中で一人ぼっちだったことが急に身に染み、弟の声に涙してお礼をいいました。




つづく。

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絵はw_mさんのパステルアート「春だよ」をお借りしました。ありがとうございます。


おまけ。
中孝介 - 絆 （リンクはカットしました）


実は為信のビジョン、中孝介によく似てたんですよ～、この頃。
（最近は髪ももうちょっと伸びて、もちょっと荒削りなイメージに変わっています）
というわけで、このシリーズ書いている間よく聞いていたのが中孝介の歌でした。

で。
　♪　いつでも答えはぼくらのすぐそばに…

なぜかこのフレーズだけ繰り返して聞こえる事が時々あります。