2009年08月06日
第12話 日の光[赤龍物語 第1章最終話]
第12話 日の光
径は枯れかけた野菜や花たちの精にどうしたらいいのか相談し、少し陰陽師の力も使って世話をしてやっと庭も復活させました。
しかしさすがに疲れを感じ、こちらもぐっすりと睡眠をとり。
そのあとで医務院へ行って初めて美雨の状態を知ったのでした。
径は枯れかけた野菜や花たちの精にどうしたらいいのか相談し、少し陰陽師の力も使って世話をしてやっと庭も復活させました。
しかしさすがに疲れを感じ、こちらもぐっすりと睡眠をとり。
そのあとで医務院へ行って初めて美雨の状態を知ったのでした。
美雨は、こんこんと眠り続けていました。
しかしエネルギーは急速に戻りつつあり。
その急激な変化のために眠っていると判断され、ただ静かに眠るままにされていました。
径はベッドの横の椅子に座り、ぼんやりと美雨の顔を見つめました。
白い肌。軽く揺れる金の髪。形のいい唇。
そしていまは閉じたままの、濃い青緑色の目。
その目がこちらを見て、にっこりと笑いかける・・・。
その、魂の輝き…。
一瞬、走馬灯のように伽羅弧で一緒に過ごしてきた日々が駆け抜け、
披露宴の時の美しく輝きながら一緒に踊った美雨と
父アーシャスの術にはまって見せられた、腐乱死体となった美雨の姿を思い出します。
嗚呼!
美雨を誰よりも愛しいと思いながら!
ここまで追いやっていたのは俺自身だったんだ。
径は、胸の痛みを抱えながら
ただそうやって美雨が目覚めるのを待っていました。
ふと、窓からさした日の光の温かさを感じます。
径は、その光の中に懐かしいエネルギーを感じました。
「母上。」
径は立ち上がりました。
光の中に現れた紫乃はにっこりと微笑むと、径と美雨、それぞれにそっと暖かいエネルギーを贈り、また静かに消えていきました。
「径さん。」
美雨の声に、径はふりむきました。
「いま、アマテラス様の夢をみたの。」
「ああ、夢じゃない。来てくださったんだ。」
径は、美雨の手を握り、頬に触れてみました。
大丈夫。エネルギーは十分もどっている。
径は安心しました。
そして、ふふふっと笑いだした美雨を、意外そうに見つめます。
「なんだか、すごく楽な気分なの。楽しい気分。」
美雨はいきなり笑い出した自分がさらに可笑しいといった感じで笑い始めました。
つられて、径も笑います。
心の中に感じていた、辛い気持ち。
己を責める気持ちがすっかりと消え、径自身も楽しくなっていました。
翌日。
径は美雨に頼まれて、退院時に着る服と靴をもって医務院に迎えにいきました。
いざ退院、となってから美雨は着る物がなくて慌ててしまったのです。
数日間寝込んでいたために体力が落ちた美雨のためにゆっくりと歩きながら、アパートに帰るまでの道すがら、二人は色んな事を話しました。
そして、径が今まで知らなかったこと-普通に生活するために当たり前の、雑事-を、美雨がひとつひとつ教えながら、二人は最終的には家事を分担してお互い無理がないように一緒に生活していこう、と、約束したのでした。
第2章もお楽しみに♪ baby誕生しますよっ
コメントにご感想や若夫婦に応援などなど、いただけると励みになります。よろしく~
しかしエネルギーは急速に戻りつつあり。
その急激な変化のために眠っていると判断され、ただ静かに眠るままにされていました。
径はベッドの横の椅子に座り、ぼんやりと美雨の顔を見つめました。
白い肌。軽く揺れる金の髪。形のいい唇。
そしていまは閉じたままの、濃い青緑色の目。
その目がこちらを見て、にっこりと笑いかける・・・。
その、魂の輝き…。
一瞬、走馬灯のように伽羅弧で一緒に過ごしてきた日々が駆け抜け、
披露宴の時の美しく輝きながら一緒に踊った美雨と
父アーシャスの術にはまって見せられた、腐乱死体となった美雨の姿を思い出します。
嗚呼!
美雨を誰よりも愛しいと思いながら!
ここまで追いやっていたのは俺自身だったんだ。
径は、胸の痛みを抱えながら
ただそうやって美雨が目覚めるのを待っていました。
ふと、窓からさした日の光の温かさを感じます。
径は、その光の中に懐かしいエネルギーを感じました。
「母上。」
径は立ち上がりました。
光の中に現れた紫乃はにっこりと微笑むと、径と美雨、それぞれにそっと暖かいエネルギーを贈り、また静かに消えていきました。
「径さん。」
美雨の声に、径はふりむきました。
「いま、アマテラス様の夢をみたの。」
「ああ、夢じゃない。来てくださったんだ。」
径は、美雨の手を握り、頬に触れてみました。
大丈夫。エネルギーは十分もどっている。
径は安心しました。
そして、ふふふっと笑いだした美雨を、意外そうに見つめます。
「なんだか、すごく楽な気分なの。楽しい気分。」
美雨はいきなり笑い出した自分がさらに可笑しいといった感じで笑い始めました。
つられて、径も笑います。
心の中に感じていた、辛い気持ち。
己を責める気持ちがすっかりと消え、径自身も楽しくなっていました。
翌日。
径は美雨に頼まれて、退院時に着る服と靴をもって医務院に迎えにいきました。
いざ退院、となってから美雨は着る物がなくて慌ててしまったのです。
数日間寝込んでいたために体力が落ちた美雨のためにゆっくりと歩きながら、アパートに帰るまでの道すがら、二人は色んな事を話しました。
そして、径が今まで知らなかったこと-普通に生活するために当たり前の、雑事-を、美雨がひとつひとつ教えながら、二人は最終的には家事を分担してお互い無理がないように一緒に生活していこう、と、約束したのでした。
赤龍物語 第1章「新生活」 完
第2章もお楽しみに♪ baby誕生しますよっ
コメントにご感想や若夫婦に応援などなど、いただけると励みになります。よろしく~
Posted by 町田律子(pyo) at 19:00│Comments(2)
│龍物語
この記事へのコメント
コメントのお誘いに乗って、早速お邪魔します~♪
んもー美雨ちゃんの可愛らしいこと!!
径くんのおぼっちゃまな不器用さ!!
胸がキュンキュンしました~。
そして、baby誕生!?
・・・じゃぁ、エフェクトさんは~おば(自己規制
毎日更新楽しみにしています♪*:.。.:*ヽ(*´∀`)ノ*:.。.:*
んもー美雨ちゃんの可愛らしいこと!!
径くんのおぼっちゃまな不器用さ!!
胸がキュンキュンしました~。
そして、baby誕生!?
・・・じゃぁ、エフェクトさんは~おば(自己規制
毎日更新楽しみにしています♪*:.。.:*ヽ(*´∀`)ノ*:.。.:*
Posted by こはきゅ at 2009年08月06日 20:16
こはきゅさん、ありがとうございます♪
>・・・じゃぁ、エフェクトさんは~おば(自己規制
わははははっ
大丈夫です、規制なしでも。
自分で「孫!孫!」と騒いでいますから。(笑
>・・・じゃぁ、エフェクトさんは~おば(自己規制
わははははっ
大丈夫です、規制なしでも。
自分で「孫!孫!」と騒いでいますから。(笑
Posted by pyo at 2009年08月06日 21:55
迷惑コメントが入り始めたので「承認後受け付ける」にしています。すぐには表示されませんがお待ち下さい。