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2009年08月19日

好奇心(彩河・ウェイ2)

好奇心 (彩河・ウェイ 2)
written by いをる


ウィルがカップを二つ持ってキッチンからやってきた。ひとつを彩河の前におき、向かいに座った。
「あなたのツインの遥珂くんと、兄弟同然に育ったわけでしょう?それを共通の話題として、まずはお友達になってあげたらいいじゃない。あんまり邪険にしてもかわいそうだわ。」


好奇心(彩河・ウェイ2)


確かに、遥珂と兄弟同然に育った、という点には興味があった。遥珂の近況が聞けるかもしれない。連絡をとりあうことだって・・・。
彩河は考えを改め、まずは話し相手になってみることにした。



声を持たないウェイとの会話は、頭の中に直接響くので、何ともいたたまれない気持ちになった。やっぱり内側に侵入されているような気分になってしまう。

会話がどうしてもこういう手段になってしまうのは、彼のせいではないことは分かってはいるのだが、居心地の悪さはぬぐえなかった。それでも、耐えていられたのは、好奇心のほうが勝ったからだった。ウェイはどんな話をするのだろう。

最初は10分程度話して、有無を言わさずすぐ立ち去る。ということを繰り返していた。
そのうち話すことが長くなり、段々居心地の悪さも少なくなっていった。しかし、ウェイが時々見せる気障な言動には、慣れるのに時間を要した。


景色を褒めていると、同意した後、「君のほうが綺麗だけどね。」という一言を忘れない。

伽羅弧でとってきたと思われる、花や果物をよくプレゼントされるのだが、そのプレゼントの出しかたも、ちょっとしたサプライズつきで、いかにも気障なやり方だった。
雲の上で待ち合わせていたときなどは、遅れてやってきたと思ったとたん、雲の下へ潜ってしまい、下から雲を突き破って、目の前にいきなり花束と共に現れたこともあった。



ウェイに何かされるたび、愚痴を言っていたため、最近では顔を見るだけで、姉に「わかってるわ♪」という顔をされるようになってしまった。
話を聞いてくれない訳ではない。でも、聞いているときの表情が明らかにおもしろがっている。

「自分がされた、と想像してみてよ!」
抗議してみても、少し考えて
「私だったら・・そうねぇちょっと引いてしまうかも♪でも、彩河はがんばってみてね。だって、いい子じゃないの。」と、取りあってはくれない。完全に人ごと、である。 慣れるしかないのか・・・。

あ~あ。分かってくれない。
彩河はわざとらしく、大きなため息をついた。



つづく。


ちなみにこのウェイの気障なラブ攻勢、どうやら廻に教わったようです。
勇者ひかりさん曰く・・・

「ウェイに色々教えてた頃は、全て僕を中心に世界が回っていると思っていたからなぁ。。。すまん!ウェイ!!」
と廻があやまっております。
美雨ちゃんに振られて、径の愛情を見て、高い鼻がポッキリ折れた
廻でした。^^


「でもこの強引さはアズマ譲りだわねぇ。」 by エフェクト

ご感想お待ちしてま~す。



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つぶやき。(2013-02-21 14:21)


Posted by 町田律子(pyo) at 19:00│Comments(3)龍物語
この記事へのコメント
あはははは(笑)
ウェイくん、素敵な男の子に育ってたんですね。
英国人みたいだ☆
Posted by ひつじ at 2009年08月19日 21:55
こんばんは☆

あ~。私も気障なラブコールされると退いてしまう派だったので、彩河の気持ちが解かるような気がします(爆)
今だったら随分気持ちにも余裕があって、「ありがとう☆」って喜ぶ位はできるようになりましたけれども。でもそういう年頃になってみたら、旦那さんはすっかり気障なことしてくれなくなりましたけどもねぇ(笑)
Posted by ton*tan at 2009年08月20日 00:28
●ひつじさん
英国人もこんな感じですか?
もー、思いっきり笑っています。^^

●ton*tanさん
こんなキザなラブコール…
おお、ご主人がですか?!すごい~。
Posted by pyo at 2009年08月20日 12:48
迷惑コメントが入り始めたので「承認後受け付ける」にしています。すぐには表示されませんがお待ち下さい。
 
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