2009年08月21日
自分の気持ち(彩河・ウェイ5)
自分の気持ち (彩河・ウェイ 5)
結局、一晩中頭の中がぐるぐるして、眠れなかった。
しかし気持ちはだいぶ、落ち着いていた。「とにかく、ウィルに話を聞いてもらおう・・・」
written by いをる
結局、一晩中頭の中がぐるぐるして、眠れなかった。
しかし気持ちはだいぶ、落ち着いていた。「とにかく、ウィルに話を聞いてもらおう・・・」
ダイニングに行くと、姉がもう朝食の用意を済ませていた。
「食欲は、あるでしょう?」いつもの笑顔で聞いてくる。
うなずいてテーブルに座った。
「・・・・」何から話そう。迷っていると、姉がふ、と笑みを漏らした。
まあ、とりあえず食べなさいな。
出された朝食をおいしくいただき、だいぶ落ち着いたところで、
彩河は昨日の出来事を姉に話した。
「どうしたらいいか、全く分からないの」 はー、と大きなため息をつく。
「・・・ウェイ君のこと、嫌い?」姉が少しまじめな顔をして聞いてきた。
「嫌いじゃないわ。・・・そりゃあ、言動があんまり気障だから、文句は言ったけど・・・。」
嫌いってほどでは・・・。 でも、この先の進展は望んでなかったし・・・。
どう対処していいか分からない。
と言った彩河に、姉は少し身を乗り出して言った。
「あのね、どうするか?ってことは、私には言えないわ。それはあなたが結論を出すこと。ウェイ君の気持ちに応えるのか、そうでないのか。答えはあなた自身の中よ。」
答えは自分の中、といわれてもぴんとこなかった。
「でも、ほんとにどうしたらいいのか分からないのよ。今までのようにはもう出来ないし。」
「・・・分からないっていうのは、あなた自身が自分の気持ちに向き合ってないのね。
考えてみて、ウェイ君とずっと一緒にいたいって思う?それとも、二度と会いたくない?」
自分の気持ち・・・二度と会いたくないとは思わない。でも、ずっと一緒にいたいか、と言われると・・・。
とりあえず、がんばって考えようとした。ウェイとずっと一緒にいる・・・・。
・・・どうしても想像できなかった。まるでロックがかかったみたいに、思考が停止してしまう。
「あぁ・・・」思わずテーブルに突っ伏した。
姉がくすくすと笑う。彩河は顔をしかめた。やっぱり、人ごとを楽しんでる。
「ウィルぅぅ・・。」抗議の目を向けると姉は笑いをおさめたが、顔がどうしても笑っている。
「ゆっくり考えたら?・・・・と言いたいところだけど、そうもいかないみたいね。」
言いながら、ウィルは窓の外を見た。
つられて彩河も窓の外を見て、びくっと肩を震わせた。
ドアをノックしようとしているウェイの姿があったのだ。
こちらから見えていることに気づいていないのか、ノックしようと手を出しかけては、やめる、を繰り返している。
どうしよう。
助けを求めるように姉を見たが、
「話だけでも、聞いてあげたら?」・・・代わりに出て、追い返してくれる気はないらしい。
「とりあえず、誠実に今の気持ちを伝えてみれば?結論は出ていなくても。」
「ウェイ君なら、あなたが結論を出すまで、待ってくれるんじゃない?」
「・・・・・」
彩河が何か言いかけたが、先にドアがノックされてしまった。
姉は笑いながら立ち上がった。
「いってらっしゃい。答えは急がなくてもいいから、とにかく誠実に、ね?」
にっこりと微笑んで、後片付けを始める。
彩河は恐る恐るドアを開けた。
つづく。
「食欲は、あるでしょう?」いつもの笑顔で聞いてくる。
うなずいてテーブルに座った。
「・・・・」何から話そう。迷っていると、姉がふ、と笑みを漏らした。
まあ、とりあえず食べなさいな。
出された朝食をおいしくいただき、だいぶ落ち着いたところで、
彩河は昨日の出来事を姉に話した。
「どうしたらいいか、全く分からないの」 はー、と大きなため息をつく。
「・・・ウェイ君のこと、嫌い?」姉が少しまじめな顔をして聞いてきた。
「嫌いじゃないわ。・・・そりゃあ、言動があんまり気障だから、文句は言ったけど・・・。」
嫌いってほどでは・・・。 でも、この先の進展は望んでなかったし・・・。
どう対処していいか分からない。
と言った彩河に、姉は少し身を乗り出して言った。
「あのね、どうするか?ってことは、私には言えないわ。それはあなたが結論を出すこと。ウェイ君の気持ちに応えるのか、そうでないのか。答えはあなた自身の中よ。」
答えは自分の中、といわれてもぴんとこなかった。
「でも、ほんとにどうしたらいいのか分からないのよ。今までのようにはもう出来ないし。」
「・・・分からないっていうのは、あなた自身が自分の気持ちに向き合ってないのね。
考えてみて、ウェイ君とずっと一緒にいたいって思う?それとも、二度と会いたくない?」
自分の気持ち・・・二度と会いたくないとは思わない。でも、ずっと一緒にいたいか、と言われると・・・。
とりあえず、がんばって考えようとした。ウェイとずっと一緒にいる・・・・。
・・・どうしても想像できなかった。まるでロックがかかったみたいに、思考が停止してしまう。
「あぁ・・・」思わずテーブルに突っ伏した。
姉がくすくすと笑う。彩河は顔をしかめた。やっぱり、人ごとを楽しんでる。
「ウィルぅぅ・・。」抗議の目を向けると姉は笑いをおさめたが、顔がどうしても笑っている。
「ゆっくり考えたら?・・・・と言いたいところだけど、そうもいかないみたいね。」
言いながら、ウィルは窓の外を見た。
つられて彩河も窓の外を見て、びくっと肩を震わせた。
ドアをノックしようとしているウェイの姿があったのだ。
こちらから見えていることに気づいていないのか、ノックしようと手を出しかけては、やめる、を繰り返している。
どうしよう。
助けを求めるように姉を見たが、
「話だけでも、聞いてあげたら?」・・・代わりに出て、追い返してくれる気はないらしい。
「とりあえず、誠実に今の気持ちを伝えてみれば?結論は出ていなくても。」
「ウェイ君なら、あなたが結論を出すまで、待ってくれるんじゃない?」
「・・・・・」
彩河が何か言いかけたが、先にドアがノックされてしまった。
姉は笑いながら立ち上がった。
「いってらっしゃい。答えは急がなくてもいいから、とにかく誠実に、ね?」
にっこりと微笑んで、後片付けを始める。
彩河は恐る恐るドアを開けた。
つづく。
Posted by 町田律子(pyo) at 07:00│Comments(2)
│龍物語
この記事へのコメント
うわー…。このシリーズ彩河ちゃんの恋愛観、というか戸惑いが凄く身近に感じます!(このままでいたいから気づかないふりとか…;)
答えは貴方の中に、と言われても…。うー…というブロック(苦笑)
ウェイ頑張ってー!(彩河ちゃんの気持ちわかる癖にウェイを応援/笑)
答えは貴方の中に、と言われても…。うー…というブロック(苦笑)
ウェイ頑張ってー!(彩河ちゃんの気持ちわかる癖にウェイを応援/笑)
Posted by 空華 at 2009年08月21日 10:03
●空華さん
おー、彩河ちゃんの気持ち、わかりますか♪
どうぞ応援してやってください♪
おー、彩河ちゃんの気持ち、わかりますか♪
どうぞ応援してやってください♪
Posted by pyo at 2009年08月21日 12:26
迷惑コメントが入り始めたので「承認後受け付ける」にしています。すぐには表示されませんがお待ち下さい。