2009年11月07日
転生17-分離[伽羅孤3]
ある夜、エフェクトは軽い腹痛を覚えました。
「なんだか調子悪い…」
と思いながらも、そのままにして。
そして真夜中。
その痛みが悪夢とともに酷くなり、寝ていたエフェクトを襲いました。
「なんだか調子悪い…」
と思いながらも、そのままにして。
そして真夜中。
その痛みが悪夢とともに酷くなり、寝ていたエフェクトを襲いました。
「ア…アズマ…いた…い」
エフェクトは身体を二つにおり、必死に耐えながら夫を呼びました。
「どうした、エフェクト。」
すぐにアズマが現れてエフェクトを抱き上げます。
しかしエフェクトは顔色を失って唇も震えていました。
「お腹…腰…もげそう…ちぎれる…」
必死に訴えながら、エフェクトの目は暗闇の洞窟をみていました。
視界に現れた、鋭い岩肌。
ゆらゆらと彼女の身体が波にゆられ、岩肌にぶつかります。
「いた!」
途端にエフェクトの肌に傷ができ、血が流れました。
しかししばらくするとその傷がすーっと癒され、消えていきます。
『…ふさわしくない…』
エフェクトの耳に、ふたたび地獄の底から聞こえるような声が響きました。
『…お前はアズマの妻としてふさわしくない…』
さらに腰に鋭い痛みが走ります。
エフェクトは、目に見えない手に上半身と下半身をつかまれてちぎられそうな気がしました。
『…海の中で暮らせ…』
『…アズマと別れて海に隠れろ…』
「エフェクト!気をしっかり持つんだ!引きずり込まれるな!」
アズマの力強い手が彼女を抱きしめました。
「痛い…痛い…」
エフェクトの目から涙が出ます。痛みはさらに激しくなっていました。
「たすけ…」
エフェクトはそこまでつぶやくと、目をかっと見開いたまま、気を失いました。
『助けを呼ぶな…』
地獄のような声は、その直前まで彼女の耳に聞こえていたのです。
気を失ったエフェクトを抱きしめながら、さすがのアズマも混乱していました。
一体この声は何だ?
アズマはエフェクトの身体を通して聴きとった内部の声を分析しました。
すると、黒々とした視界のもやが浮かびます。
バル? …いや違う。
あの時バルは確かにエフェクトの子宮を破って出てきたが…
この声のエネルギーは違う。
この声は…
アズマははっとしました。
エフェクト自身だ!
その時、伽羅弧上空にいるアズマの本体がゆらりとゆれ、姿を現しました。
巨大な青龍はエリア1の海をさぐるようにみつめたあと、もう一体、動くのに適したサイズの青龍の分身を出して、再び消えていきます。
青龍アズマの分身は海に入り、洞窟を捜しました。
しばらく泳ぎ回ったあと、水の精たちに訊ねます。
水の精たちは「知ってるわ。」と答えると、青龍をとある洞窟へ誘いました。
青龍がたどりついたのは、かつて、エフェクトがアズマから逃げ出して籠っていた海の中の洞窟。
アズマはあの時、洞窟の中までは入りませんでした。
ここでアズマは人の姿に変わると、洞窟の中に入ってみます。
確かに鋭い岩肌があり、壁に触ると肌が傷つくだろうとすぐに気がつきました。
エフェクトの想いか。
まだ何か残っているのか。
アズマが呼びかけると、そのエネルギーはゆるやかに水の中に溶け、伝わっていきます。
やがて、その呼びかけに呼応するかのように、小さな青い玉が海流に流されてアズマの元にやってきました。
アズマはその玉を手に入れると、洞窟を出て再び青龍の姿で空へ-本体のもとへ、帰っていきました。
「いやー!」
何度も痛みに気を失っては目覚め、また痛みに襲われていたエフェクトは。
とうとう大きな悲鳴をあげると、魂が身体から分離し始めました。
「エフェクト!駄目だ!戻ってこい!」
抱きしめていたアズマの分身が呼びかけます。
「アズマ…わたし…駄目…も…う…」
エフェクトは小さくつぶやくと、また気を失いました。
抜けていく魂を再び失ったりしないよう、アズマはエネルギーを使って引き留めようとします。
すると。
どん!と、激しい衝撃とともに、エフェクトの魂が二つに分離してしまいました。
アズマは茫然として、手の中のエフェクトを強く抱きしめたまま目の前に浮かぶ分離したエフェクトを見つめました。
それは、黄龍でした。
『黄龍であること。前に進む力をもった男性性。彼女はそれを拒否した。』
黄龍は完全に男性性のようでした。
『お前はどうする気だ。』
アズマが呼びかけると、黄龍は首をかしげました。
『どうしようもない。追い出されるように分離しただけだ。』
『戻れるか。』
『今は無理だ。苦しみが酷すぎる。』
『では俺の元へ来い。』
『承知した。』
黄龍は空に昇り、同時にアズマの本体が再び姿を現し、黄龍のエフェクトを取り込むとまた姿を消していきました。
「エフェクト。エフェクト。」
アズマが静かによびかけると、気を失っていたエフェクトがうっすらと目をあけました。
目からすーっと涙がこぼれます。
「まだ、痛いか?」
「…ううん。でも…なんだか変。ふわ…ふわ…してる…。」
アズマはそっとエフェクトを寝かせると、額に優しくキスしました。
「今は眠るんだ。疲れたろう。明日、説明してあげるから。」
「アズマ…いかないで。」
不安そうにアズマの手を握るエフェクトに「ああ。」とアズマはうなずきました。
「消えずにずっとそばにいるから。」
エフェクトは安心したように微笑むと目をつぶりました。
つづく。
ウラバナシ。
このビジョンの頃、pyo自身も酷い腹痛に繰り返し苛まれていまして。
(今は調子いいですよー、これは9月の話です)
ずーっと続いた痛みがさらに激しくなったある日、あまりの酷さに、耐えきれずにmixi日記でSOSしました。
実は、自宅のトイレのドアの前でひっくり返ってひーひーいいながら、携帯でSOSを打ち込んだんです。
どういうわけかいつもの事で、こういう日って主人が出張などで必ず家にいないんですよー。
するとすぐに遠隔でのヒーリングエネルギーが次々と届き、いきなり楽になりました。
おかげで何とかベッドまでたどり着いてぐっすり眠ることができました。
助けてくださったマイミクのみなさまに、改めて、
ありがとうございます。m(_ _)m
…で、翌日この記事読んで「どんぴしゃだー!」と叫んだのでした。
ミカエルブレイズ 19日 新月のカードメッセージ
この頃2つのビジョンを同時進行で視ていたのですよ・・・。
エフェクトのこの苦しみようと、同時に、紫乃が浮遊城崩壊時に封印されたあとどうだったか、というビジョン。
どちらかというと紫乃の方が体感リアルで辛かった…。(T.T)
エフェクトは身体を二つにおり、必死に耐えながら夫を呼びました。
「どうした、エフェクト。」
すぐにアズマが現れてエフェクトを抱き上げます。
しかしエフェクトは顔色を失って唇も震えていました。
「お腹…腰…もげそう…ちぎれる…」
必死に訴えながら、エフェクトの目は暗闇の洞窟をみていました。
視界に現れた、鋭い岩肌。
ゆらゆらと彼女の身体が波にゆられ、岩肌にぶつかります。
「いた!」
途端にエフェクトの肌に傷ができ、血が流れました。
しかししばらくするとその傷がすーっと癒され、消えていきます。
『…ふさわしくない…』
エフェクトの耳に、ふたたび地獄の底から聞こえるような声が響きました。
『…お前はアズマの妻としてふさわしくない…』
さらに腰に鋭い痛みが走ります。
エフェクトは、目に見えない手に上半身と下半身をつかまれてちぎられそうな気がしました。
『…海の中で暮らせ…』
『…アズマと別れて海に隠れろ…』
「エフェクト!気をしっかり持つんだ!引きずり込まれるな!」
アズマの力強い手が彼女を抱きしめました。
「痛い…痛い…」
エフェクトの目から涙が出ます。痛みはさらに激しくなっていました。
「たすけ…」
エフェクトはそこまでつぶやくと、目をかっと見開いたまま、気を失いました。
『助けを呼ぶな…』
地獄のような声は、その直前まで彼女の耳に聞こえていたのです。
気を失ったエフェクトを抱きしめながら、さすがのアズマも混乱していました。
一体この声は何だ?
アズマはエフェクトの身体を通して聴きとった内部の声を分析しました。
すると、黒々とした視界のもやが浮かびます。
バル? …いや違う。
あの時バルは確かにエフェクトの子宮を破って出てきたが…
この声のエネルギーは違う。
この声は…
アズマははっとしました。
エフェクト自身だ!
その時、伽羅弧上空にいるアズマの本体がゆらりとゆれ、姿を現しました。
巨大な青龍はエリア1の海をさぐるようにみつめたあと、もう一体、動くのに適したサイズの青龍の分身を出して、再び消えていきます。
青龍アズマの分身は海に入り、洞窟を捜しました。
しばらく泳ぎ回ったあと、水の精たちに訊ねます。
水の精たちは「知ってるわ。」と答えると、青龍をとある洞窟へ誘いました。
青龍がたどりついたのは、かつて、エフェクトがアズマから逃げ出して籠っていた海の中の洞窟。
アズマはあの時、洞窟の中までは入りませんでした。
ここでアズマは人の姿に変わると、洞窟の中に入ってみます。
確かに鋭い岩肌があり、壁に触ると肌が傷つくだろうとすぐに気がつきました。
エフェクトの想いか。
まだ何か残っているのか。
アズマが呼びかけると、そのエネルギーはゆるやかに水の中に溶け、伝わっていきます。
やがて、その呼びかけに呼応するかのように、小さな青い玉が海流に流されてアズマの元にやってきました。
アズマはその玉を手に入れると、洞窟を出て再び青龍の姿で空へ-本体のもとへ、帰っていきました。
「いやー!」
何度も痛みに気を失っては目覚め、また痛みに襲われていたエフェクトは。
とうとう大きな悲鳴をあげると、魂が身体から分離し始めました。
「エフェクト!駄目だ!戻ってこい!」
抱きしめていたアズマの分身が呼びかけます。
「アズマ…わたし…駄目…も…う…」
エフェクトは小さくつぶやくと、また気を失いました。
抜けていく魂を再び失ったりしないよう、アズマはエネルギーを使って引き留めようとします。
すると。
どん!と、激しい衝撃とともに、エフェクトの魂が二つに分離してしまいました。
アズマは茫然として、手の中のエフェクトを強く抱きしめたまま目の前に浮かぶ分離したエフェクトを見つめました。
それは、黄龍でした。
『黄龍であること。前に進む力をもった男性性。彼女はそれを拒否した。』
黄龍は完全に男性性のようでした。
『お前はどうする気だ。』
アズマが呼びかけると、黄龍は首をかしげました。
『どうしようもない。追い出されるように分離しただけだ。』
『戻れるか。』
『今は無理だ。苦しみが酷すぎる。』
『では俺の元へ来い。』
『承知した。』
黄龍は空に昇り、同時にアズマの本体が再び姿を現し、黄龍のエフェクトを取り込むとまた姿を消していきました。
「エフェクト。エフェクト。」
アズマが静かによびかけると、気を失っていたエフェクトがうっすらと目をあけました。
目からすーっと涙がこぼれます。
「まだ、痛いか?」
「…ううん。でも…なんだか変。ふわ…ふわ…してる…。」
アズマはそっとエフェクトを寝かせると、額に優しくキスしました。
「今は眠るんだ。疲れたろう。明日、説明してあげるから。」
「アズマ…いかないで。」
不安そうにアズマの手を握るエフェクトに「ああ。」とアズマはうなずきました。
「消えずにずっとそばにいるから。」
エフェクトは安心したように微笑むと目をつぶりました。
つづく。
ウラバナシ。
このビジョンの頃、pyo自身も酷い腹痛に繰り返し苛まれていまして。
(今は調子いいですよー、これは9月の話です)
ずーっと続いた痛みがさらに激しくなったある日、あまりの酷さに、耐えきれずにmixi日記でSOSしました。
実は、自宅のトイレのドアの前でひっくり返ってひーひーいいながら、携帯でSOSを打ち込んだんです。
どういうわけかいつもの事で、こういう日って主人が出張などで必ず家にいないんですよー。
するとすぐに遠隔でのヒーリングエネルギーが次々と届き、いきなり楽になりました。
おかげで何とかベッドまでたどり着いてぐっすり眠ることができました。
助けてくださったマイミクのみなさまに、改めて、
ありがとうございます。m(_ _)m
…で、翌日この記事読んで「どんぴしゃだー!」と叫んだのでした。
ミカエルブレイズ 19日 新月のカードメッセージ
この頃2つのビジョンを同時進行で視ていたのですよ・・・。
エフェクトのこの苦しみようと、同時に、紫乃が浮遊城崩壊時に封印されたあとどうだったか、というビジョン。
どちらかというと紫乃の方が体感リアルで辛かった…。(T.T)
Posted by 町田律子(pyo) at 07:00│Comments(3)
│龍物語
この記事へのコメント
エフェクトのネガが洞窟に残っていたんですね…。浮遊城の記憶は壮絶でしょうね…。
>「その案、却下だ」
って(笑)ヽ(≧∀≦)ノブッ
ウケる、やっぱ面白いよ径〜
>「その案、却下だ」
って(笑)ヽ(≧∀≦)ノブッ
ウケる、やっぱ面白いよ径〜
Posted by ちょこ at 2009年11月07日 08:15
わたしも流産経験あるので、痛みや恐怖の気持ちとか解ります
エフェクト、辛かったですね
私も色んな痛みが激しくてきつかった時、なぜか誰も傍にいなかったな...
しかも、後から思えばなぜ助け呼ばなかったんだろう...?
はて?
でも、私は流産をきっかけに、子宮筋腫がわかったので、この時の子供が教えてくれたんだと、今では感謝しています(^v^)
エフェクト、辛かったですね
私も色んな痛みが激しくてきつかった時、なぜか誰も傍にいなかったな...
しかも、後から思えばなぜ助け呼ばなかったんだろう...?
はて?
でも、私は流産をきっかけに、子宮筋腫がわかったので、この時の子供が教えてくれたんだと、今では感謝しています(^v^)
Posted by ジゼル at 2009年11月07日 09:48
●ちょこさん
紫乃の闇の記憶は壮絶でしたー。(;_;)
これはとても書ききれない。体感伴いすぎ。
…でもエフェクトと連動して終息しましたよん。♪
役立ったのが、実はげんちゃんでした。^^
●ジゼルさん
おお!わかっちゃいましたか。
そうなんです、エフェクトの流産の記憶が甦ってきてたんです。
私体験してないんですが~。なんでわかるあの痛み~。(T^T)
一見マイナスに見える事も、実はこんな点があったんだと前向きに受け止められる、
ジゼルさん素敵です~。^^
紫乃の闇の記憶は壮絶でしたー。(;_;)
これはとても書ききれない。体感伴いすぎ。
…でもエフェクトと連動して終息しましたよん。♪
役立ったのが、実はげんちゃんでした。^^
●ジゼルさん
おお!わかっちゃいましたか。
そうなんです、エフェクトの流産の記憶が甦ってきてたんです。
私体験してないんですが~。なんでわかるあの痛み~。(T^T)
一見マイナスに見える事も、実はこんな点があったんだと前向きに受け止められる、
ジゼルさん素敵です~。^^
Posted by pyo at 2009年11月07日 18:47
迷惑コメントが入り始めたので「承認後受け付ける」にしています。すぐには表示されませんがお待ち下さい。